16.3.5. その他のよく使う要素
ここまで説明した要素の他によく使われる要素として強調、改行、引用、奥付、罫線があります。これらの使い方を説明します。
文字の強調 #
HTML 文書で単語を強調するときは、em 要素と strong 要素を使います。
ソース
僕はF1が好きだが、特にフェラーリのファンである。出力
僕はF1が好きだが、特にフェラーリのファンである。
どちらも強調を表すことには変わりはありませんが、strong 要素のほうがより強調の度合いが強くなります。大体のウェブブラウザでは標準的に em 要素を斜体で、strong 要素を太字で表すようですが、特に決まりはありません。
改行 (break line) #
ウェブブラウザはソース中の改行をただの空白として扱い、表示する文書を自動で改行します。たとえば次の例を見ても、ソースの改行は表示結果に反映されていません。
ソース
ここで 改行出力
ここで 改行
強制的に改行させたい場所があるときは、その位置に br 要素を書きます。
ソース
ここで
改行出力
ここで
改行
br 要素は特に内容を持たない要素(空要素)なので、終了タグは書いてはいけません。なお、空白を空けるためだけに br 要素を用いるべきではないとされています。規則的に複数行の空白を空けたい場合は、次節 16.4. CSS の書き方 で説明する CSS を用いてください。
引用 #
HTML 文書中で他の人の書いた文章を引用するために、q 要素と blockquote 要素が用意されています。q 要素は短い文章を引用するためのインライン要素で、自分の書いた文の中に引用文を埋め込む場合に使います。たとえば次のような使い方をします。
ソース
『共産党宣言』の冒頭でマルクスは今日までのあらゆる社会の歴史は、階級闘争の歴史である
と述べている。出力
『共産党宣言』の冒頭でマルクスは今日までのあらゆる社会の歴史は、階級闘争の歴史であると述べている。
一方、まとまった文章を引用するときは blockquote 要素を用います。
ソース
公共的サービスがこのような否定的な態度で見られているのにたいして、私的に生産される物はそうした態度で見られていない。それどころか、近代的な宣伝によってうるさいほど賞賛されている。それらは社会の終局的な富だとされて いる。公共的サービスと私的なサービス との競争は、それらがもたらす満足の問題を別にすれば、明らかに平等な競争ではない。この差別―私的な物を尊重し、公共的なものを劣等視する この傾向―の社会的影響は大きく、また深刻であるとさえ言えよう。ガルブレイス『ゆたかな社会』出力
公共的サービスがこのような否定的な態度で見られているのにたいして、私的に生産される物はそうした態度で見られていない。それどころか、近代的な宣伝によってうるさいほど賞賛されている。それらは社会の終局的な富だとされて いる。公共的サービスと私的なサービス との競争は、それらがもたらす満足の問題を別にすれば、明らかに平等な競争ではない。この差別―私的な物を尊重し、公共的なものを劣等視する この傾向―の社会的影響は大きく、また深刻であるとさえ言えよう。ガルブレイス『ゆたかな社会』
一般に blockquote 要素はいくらか字下げして表示されますが、この字下げ幅は後に述べる CSS を用いると自由に変えることができます。また上の例でも使いましたが、引用した文献を明示するには cite 要素を用います。
奥付 #
文書の奥付を書くために、HTML では address 要素が用意されています。奥付には著作名、連絡先、文書の作成日時などを書きます。
ソース
(c) はいぱーワークブックプロジェクト〒153-8902 東京都目黒区駒場 3-8-1
最終更新日時 2008 年 3 月 31 日出力
(c) はいぱーワークブックプロジェクト
〒153-8902 東京都目黒区駒場 3-8-1
最終更新日時 2008 年 3 月 31 日
罫線 #
罫線は hr 要素によって表します。
と書いた位置に、次のような罫線が入ります。
ソース
出力
hr 要素も空要素なので、終了タグは書きません。罫線の上下の余白はウェブブラウザに依存します。太さや色などは CSS を用いて指定することができます。